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【社説】真実を知りたい

2005.12.16 19:04
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国全体が胚性幹細胞(ES細胞)の真偽論議で混乱に陥っている。 15日、盧聖一(ノ・ソンイル)ミズメディ病院理事長が「現在まで幹細胞はない」と主張し、韓国社会は心理的恐慌状態を迎えた。 黄禹錫(ファン・ウソック)教授は16日の記者会見で、「ES細胞は確かに作った」とし、「このES細胞がミズメディのものと入れ替わった可能性について司法当局に捜査を要請する」と反論した。 直ちに盧理事長は「黄教授が虚偽論文の責任を転嫁している」とし、「操作は黄教授研究室で行われた」と述べた。 今はどちらの言葉が正しいか判断するのは難しい状況だ。

この2日間、誰もが惨めで空しい心情だった。 呆然としながら核心研究者らの真実攻防を見守っている。 ES細胞が汚染されたり、入れ替わったという疑惑などは重要でない。 責任が誰にあるかも副次的な問題だ。 否認できない事実は、これほど自慢してきたES細胞が現在存在しないということだ。 サイエンス誌に掲載された2005年5月の論文自体も決定的な瑕疵があるということが判明した。 韓国科学界はすでに世界科学史に取り返しのつかない汚点を残した。

 
黄教授は「ES細胞を作ることができる源泉技術があり、これを再現するまで時間をくれ」と話した。 白衣従軍(一兵卒として戦地に赴くこと)しながら名誉を回復すると誓った。 われわれは約束通り、彼が早期にES細胞を再現してくれることを期待する。 衝撃を受けた国民の心情を考えても、そうすることを希望する。

われわれはどんなに辛かろうと、当事者らの真実告白を待ってきた。 しかし状況は反対だった。 黄教授や盧理事長、研究員の口からはこれ以上期待するものはない。 いまわれわれの社会が必要とするのは真実だ。 ソウル大調査委員会と検察が乗り出す時だ。 どこまでが事実か、誰が真実を歪曲して操作したのか、徹底して明らかにすべきだ。 過ちはいつか正されるというわが社会の正義を見せなければならない。

今回の混乱には政府の責任も大きい。 黄教授はES細胞が汚染された事実を当局に報告したと明らかにした。 先月27日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)ホームページに掲載された盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の文からも、政府が相当部分の進行状況を把握していたと考えられる。 政府は「ソウル大の調査結果を見て立場を整理する」と、のん気なことを言っている場合ではない。 非常に深刻で急迫した懸案であるだけに、関連省庁と検察を総動員し、国家的疑惑を早急に解消しなければならない。

ES細胞論議がこれ以上わが社会の絶望と挫折につながってはならない。 対立は困惑を深めるだけだ。 傷つくだけ傷ついた胸中を治癒するためにも事態の収拾を急ぐべきだ。 手のひらで太陽を覆うことはできない。 弁解や嘘は臨時方便にすぎず、すべてをいつまでも欺くことはできない。 真実を明らかにし、わが社会の自浄能力を見せることが国際社会の信頼を回復する近道だ。 ただ真実だけが唯一の解決策である。

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