【コラム】文在寅政府、引き算政治の帰結
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.12.10 10:29
他人の話は聞かないで自分のことしか話さない人は孤独な人になりやすい。互いに意見をやりとりして考えを共有する中で人間関係は発展する。政府と国民の関係も同じだ。政府が一方的に政策を実行すれば国民は疎外感を感じて政府に反感を持つ。また、国民の意見を聞かなければ卓上政策が作られて浪費と非効率を招く。民主社会では政府が政策をうまく作ることも重要だが、国民との疎通を通じて国民が政策を受け入れるように説得することがそれに劣らず重要だ。政府は疎通を通じて支持層を広げて政策効率性を高めることができる。
文在寅(ムン・ジェイン)政府は支持層を広げようとするよりは内部の結集に重点を置いてきた。執権3年半の間、こちら側とあちら側に分かれ、国民の分裂と対立が激しくなった。執権序盤にまい進した積弊清算は、支持層でなければ積弊だとして断罪した。既得権の反則と特権を認めないという文大統領の約束は、味方には目をつぶって相手側だけを攻撃して急遽な響きになった。ブラジルの独裁者ジェトゥーリオ・ヴァルガスの「友達には何でも、敵には法で」という言葉が思い浮かぶほどだ。