【コラム】やっと興した大韓民国なのに…
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.25 11:05
韓半島(朝鮮半島)に再び暗雲が垂れ込めた。米朝非核化交渉が事実上破綻し、北朝鮮が韓国に対する挑発の度合いを強めている。金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会第1副部長は最近、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を「恥じ知らず」「図々しい」などと露骨に非難して「信義を裏切ったことに対して大きな代償を支払うことになる」と警告した。北朝鮮は開城(ケソン)南北共同連絡事務所を爆破したことに続き、非武装地帯(DMZ)北側地域に兵力を投じて対南拡声器を再び設置し、ビラ(対南ビラ)を散布しようとする。
これは南北首脳が合意した板門店(パンムンジョム)宣言(2018年4月27日)や9・19軍事合意(2018年9月19日)を正面から違反するものだ。国連制裁と新型コロナウイルス(新型肺炎)事態で迷走する北朝鮮経済に対する責任を韓国と米国に被せようとする狙いも見える。外部との葛藤を高めて北朝鮮内部を結集させようという計算だ。文大統領はこれに対して「忍耐して米朝と対話で難局を克服しなければならない」と注文した。北朝鮮が核を伝家の宝刀のように振り回して韓国を脅迫しているのに大統領の処方は「忍耐」だ。韓半島(朝鮮半島)の現実を冷遇したまま、しん気楼のような南北協力にしつこくこだわる姿だ。