２７日午後１時ソウル、鍾路区新門内路（チョンノグ・セムナンロ）５街キル。光化門（クァンファムン）政府総合庁舎の裏側にあるビル密集地域を横切る２００メートル区間に目立つ変化があった。昼休み直後で歩行者が多かったが、以前のように混雑した雰囲気ではなかった。車両も明らかに減ったので歩きやすい距離になった。変化は９月から始まった。

この道は、歩道の幅が２倍に広くなり、車道は半分に減った。かつては道の両側に幅２メートルの歩道と一方通行２車線の道路があったが、歩道は幅４メートルぐらいの両側歩道になり、車道はソウル地下鉄３号線の景福宮（キョンボックン）駅方面につながる一方通行の１車線になった。不法に駐車していた車や狭い歩道が印象的だったが、セムナン路５街キルが“車道ダイエット”で様変わりしたからだ。

この道を通りかかった会社員のソン・ギョンゴンさん（３９）は「前は、車道に長く車の駐車行列ができ、歩道が狭かったが、今ははるかに歩きやすくなった」と話した。近隣ビルの警備員であるパク・ノヒョンさん（６１）も「車道が２つだった時は、かえって不法駐車が多くて今より車の流れが良くなかった」とし「車道が減った今がかえって車両が通りやすくなった」と話した。

ソウル市の“車道ダイエット”は車道を減らす代わりに、その空間を歩道に広げるか、新しい道路に作る政策だ。今年だけで８１億３３００万ウォン（約７億９２００万円）を投じ、計１７カ所（５６８２メートル区間）で“車道ダイエット”事業を完了した。来年の上半期は、城北区五敗山路（ソンブクク・オペサンロ）と恩平区葛硯路（ウンピョング・カリョンロ）１キルなど道路３カ所（１２１０メートル）の歩道を広げる計画だ。ソウル市のイ・バンイル歩行政策課長は「現在まで工事を済ませた１７カ所の他に“車道ダイエット”の対象地域を着実に広げていきたい」と話した。

“車道ダイエット”の対象となるのは歩きづらい道だ。歩行者は多いが、まともな歩道がなく、交通事故の危険が大きかったり、歩道があってもその幅が狭くて歩きづらかったりするところだ。中心課題は車道を減らすことだ。来年５月に完工予定の中区茶山路（チュング・ダサンロ）３６キル（５３０メートル区間）は幅７～１２メートルであった車道を幅５～９メートルに減らす予定だ。車道を減らして残った部分に幅１．５メートルの歩道を道路の両側に新しく作る。茶山路３６キルは、これまで歩道がなかった。

今月に工事が完了した江東区（カンドング）の高徳（コドク）小学校前のアリ水路８２キル（２００メートル区間）は往復２車線を一方通行の１車線に減らした。その代わり、片方だけにあった歩道を反対側にも作った。子供の交通事故を減らすために登校・下校時間（午前８～９時・午後１～３時・午後６～７時）には車両の進入を全面禁止した。

歩行者は“車道ダイエット”を歓迎しているが、一部の運転者からは反対の声も出ている。タクシー運転手のキム・ヒョンチャンさん（５８）は「裏面道路といっても、無分別に車道を減らせば停滞しやすくなる」とし「歩行者のために車道を減らすのが正解ではない」と指摘した。

このような不満はソウル市が持続的に住民向け説明会を開いて説得していく計画だ。歩行政策チームのコ・ヨンハ主務官は「住宅街の裏面道路は車道が２つや３つがあっても不法駐車などによってまともな道路の機能を果たせない場合が多い」とし「道路が減っても効率的に利用すれば、今より便利になるという点を住民たちに認知させて協調を求めている」と話した。

実際、今年１０月に工事を終えた九老区九一路（クログ・クイルロ）１０キルは、説明会を４回も開いた。イ・バンイル課長は「今年と来年の上半期を合わせて計２０カ所の道路を対象に“ダイエット”事業をまず推進することにした」とし「来年には２５つの自治区と力を合わせ、他の道路に事業の範囲を広げていきたい」と話した。