【時視各角】我々が「MERS」を逃した理由=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.03 14:18
中東呼吸器症候群(MERS)。韓国保健当局によると、伝染性が低く深刻な病気ではないということだった。保健当局が感染の疑いがある最初の患者の申告を受けてながら36時間も浪費したのはそのためだったのかもしれない。ところがMERSの最初の患者の発病後、感染者は次々と増えていった。死亡者も出てきた。文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉部長官は「初動対処が十分でなかった」と謝罪した。具体的に初動対処をどう誤ったのか、良い初動対処とはどういうものかはうやむやにした謝罪だった。
「国際的にマニュアル化された『事前予防対応の原則』(precautionary principle)を韓国保健当局が守らなかったというのが誤りだ」。予防医学専門家のチェ・ジェウク高麗大医大教授はこのように指摘した。世界保健機関(WHO)基準や公衆保険学の教科書に出てくる原則はこうだ。伝染病は0.1%の可能性でもあれば、科学的に明確でなく多少の人権侵害があっても、政府が介入して隔離などの措置で拡散を防がなければいけない。病気の治療は本人の同意を受けなければいけないが、予防が目的の場合は不確かな状況でも本人の同意に関係なく、直ちに措置を取らなければいけないということだ。