超低金利、祝福と呪いの諸刃の剣=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.14 10:45
2008年3月、大阪の住宅の倉庫から大量の札束が見つかった。下の方のダンボールに入った紙幣は湿気のためカビが生えていた。箱から出てきた現金は計58億円。当時の為替レートで550億ウォンにもなった。警察が調査した結果、父が死亡した後、60代の2人の娘が相続税を避けるため銀行預金を繰り返し引き出し、お金を家の倉庫に保管していたことが分かった。しかし2人の娘は容疑を素直に認めなかった。父が不動産業で巨額を稼いだが、一緒に仕事をし、自分たちが稼いだ金も含まれるため、相続税を逃れる意図はなかったということだ。では、2人はなぜお金を倉庫に保管したのだろうか。このような非正常の裏には「低金利の呪い」がある。
1990年のバブル経済崩壊から20年以上続いた日本の低金利は、企業の経済活動はもちろん、国民のお金の管理形態までも変えた。銀行預金が安全だという認識が変わった。日本では1997-2003年の間、日本長期信用銀行をはじめ銀行11行が閉鎖した。銀行が破綻すれば保護される預金は1000万円までだ。このため分散預金はもちろん、大金を家の金庫や衣装だんすに置いておく「タンス預金」も少なくなかった。このため家計の財布が開かれないのは当然だった。すでに預金利子生活が不可能になったが、老後は長くなり、高齢者は出費を抑えるしかなかった。年金を受けてまた貯蓄するため、死亡時点に引退時点より資産が増えている事例まで続出した。90年代の株式市場と不動産市場の暴落を目にした高齢者は投資にも慎重になった。