【時論】韓国幼稚園崩壊の裏には「安く、速く」の誘惑(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.12 13:39
今回の上道洞幼稚園崩壊事故はヒヤッとしたが、不幸中の幸いで人命被害はなかった。しかし、この事故を見ながら、筆者は1963年イタリアで起きたバイオント(Vajont)ダムの惨事のことが脳裏をかすめた。5000人余りが亡くなった当時の事故は、2008年国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「国際惑星地球年」を迎えて定めた「5つの教訓と5つの朗報」に含まれることになった。高さ250メートルの波がダムを越えて5つの集落をたった6分で飲み込んだ。この「メガ津波」の原因は地すべりだった。ダムの横に連なる山から2億6000万立方メートルの土砂と岩が時速110キロの速さで崩壊してダムの水を押し出した。
電気会社SADEはダム候補地の地質が水に弱い石灰岩と粘土層であることに加え、傾斜のせいでダムの建設が不適切だという意見を無視したまま建設を強行した。すべりやすいチーズが入ったハンバーガーを傾けてみよ。事故1カ月前には一日に25センチ地面が動いていたのに避難命令を出さなかった。この時の衝撃波エネルギーが広島原爆の2倍規模だったというから、住民を避難させないで原爆実験をしたようなものだ。