韓国政府は医療改革推進の意志を再度明らかにし、医療界に対して「対話に出てほしい」と求めた。保健福祉部の朴敏守（パク・ミンス）第２次官は２３日、医師集団行動中央事故収拾本部会議を主宰して「医療界は集団行動をやめて、発展的で建設的な討論が行われるように今週発足する医療改革特別委員会に必ず参加してほしい」と述べた。

尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領直属医療改革特別委員会は２５日から稼動する。特別委には政府要人や医療界・患者団体、民間専門家が参加する。大韓医師協会（医協）や大韓専攻医協議会（大専協）などが不参加意思を表明したが、政府は一旦特別委をスタートさせた後、本格的な議論が始まる前まで医療界の参加を最大限督励する計画だ。

張商允（チャン・サンユン）大統領室社会首席もこの日の会見で「各界が衆知を集める社会的協議体に医師協会は参加を拒否していて専攻医協議会は立場を明らかにしないでいて非常に残念に思う」とし「特別委発足前まで医療界の前向きな立場変化を期待する」と述べた。また「いつでも医大増員規模に対して合理的で科学的根拠のある、統一された代案を提示すれば話し合いの場は開いているということを改めて申し上げる」と強調した。

医療界が「医大増員問題を一対一で議論しなければならない」と主張していることに対して、張首席は「政府は１週間前から『５＋４医政協議体』を非公開で提案したが、これさえも拒否していて遺憾を表さざるをえない」とした。医療界は協議体を設けるものの、政府と医療界の間の一対一の対話を通じて問題を解決していくべきだと主張する。

張首席は「政府は医政葛藤を解決するために医師協、専攻医、医大生、医大教授団体に医療界－政府のみで構成された協議体を提案したが、医療界は原点再議論だけを主張して一対一対話も拒否している」とし「医療界は今からでもどのような形式でも、どのような主題でもよいので対話の場に出てきて、政府と合理的かつ建設的な議論ができるように望んでいる」と再度強調した。

医協のイム・ヒョンテク次期会長は政府に対して対話の前提条件として、医大増員原点再検討に続いて保健福祉部長次官の更迭を再び掲げた。イム氏はフェイスブックに「福祉部の曺圭鴻（チョ・ギュホン）長官と朴敏守次官が事態解決の障害物」と書いた。また、医大定員大幅増員を主張して今回の総選挙で「共に民主連合」比例代表で当選した金輪（キム・ユン）ソウル大医大医療管理学教授の議員職辞退を要求して「そのような場合、政府との対話を考えてもよい」という文も掲示した。

大学病院教授の離脱に加えて、一部の病院が週１回の外来診療および手術を中断することにして患者の不安は大きくなっている。韓国重症疾患連合会のキム・ソンジュ代表は「今この瞬間にも重症患者は命をつなぐために治療が可能な３次、２次、さらには療養病院を回っている」と話した。韓国患者団体連合会のアン・キジョン代表は「患者の命綱を手離して現場を去った医師が出す主張を国民が全面的に信頼することは難しい。現場に残って患者と今回の事態を解決するための方法を模索してほしい」と求めた。

医療の空白に備えて政府は２４日から診療協力病院を１６８カ所から１８９カ所に拡大運営することにした。６８カ所はがん患者の安定的診療のためのがん診療協力病院だ。診療協力病院は上級病院で適時に手術が行われない患者から依頼を受けるほか、上級病院で坑がん治療を受けた後の回復期患者の予後管理を補助する。