尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が２日、研修医と会うとして対話の意志を見せたことをめぐり、医療界では３日にも甲論乙駁が続いた。大韓医師協会（医師協）は提案に対しては「歓迎する」という反応を見せた。しかし医療界では「医学部増員の白紙化がなければ無意味」とし、大統領と会うこと自体に懐疑的な声が多い。当事者の研修医は沈黙した。

政府は対話を再度要請した。李祥敏（イ・サンミン）行政安全部長官はこの日、中央災難安全対策本部会議を開いて「政府の政策は常に開かれている。より良い意見と合理的な根拠が提示されるなら、より良い方向に変わることも可能」と述べ、対話に出てきてほしいと要請した。前日（２日）に全国医科大学教授協議会（全医教協）非常対策委員会のチョ・ユンジョン広報委員長が「大統領が研修医をケアしてほしい」と涙で訴えた後、大統領室は公示で「尹大統領が研修医に会って直接対話することを望んでいる」として対話を提案した。

医療界は「議題なく会うのは無意味」「総選挙までは動かない方がよい」「少なくとも２０００人の全面白紙化と責任者の罷免が先にあるべき」などの強硬な立場が優勢だった。しかし「ここで対話に応じなければいけない」という意見もあった。

全国医科大学教授非常対策委員会（教授非常委）はこの日の大統領の提案について「原則的に歓迎する」としながらも「無条件に会おうというのなら対話の提案に誠意がない。医療界と協議して合理的な方法を出すという条件を先に提案してほしい」と要求した。医師協非常対策委も「歓迎する」という立場を表しながらも「言葉（大統領の対話提案）の誠意を担保できるのは、現在進行されている２０２５年の医学部増員配分を中止すること」と明らかにした。

当事者の研修医はこの日も潜行を続けた。政府関係者は「対話が不発になったり、研修医が提案を断ったりしたのではないと理解している」とし「研修医と引き続き接触中」と話した。

一方、対話を訴えた全医教協非常対策委のチョ・ユンジョン広報委員長はこの日、辞意を表明した。チョ委員長の発言に対し、医療界では「２０００人増員を受け入れるということか」「条件なく対話に応じれば巻き込まれるだけ」などと批判の声が出てきた。全医教協のキム・チャンス会長は電話で「チョ委員長の個人的な所感が全医教協の立場のようになった」と一線を画した。

一方、ソウル行政裁判所はこの日、受験生と研修医、医大生ら１８人が保健福祉部・教育部長官を相手に提起した２０２５学年度医学部増員および配分執行停止申請を却下した。