【コラム】韓国の地方大学廃校問題、地方大学だけの問題ではない
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.04.23 13:23
「サクラが咲く順番に大学が閉校する」という言葉が現実化している。韓国で2000年以降に廃校した大学は19校で、そのうち18校が地方大学だ。また、今年の大学定時募集で定員を満たせなかった大学は60校ほどだったが80%が首都圏以外の大学だった。来年には大学入学資源が今年よりも5万人ほど減るため状況はさらに深刻化するだろう。こうした現象は学齢人口の減少と首都圏集中現象が主要因だが、韓国の出生率は下落が続いており、首都圏集中現象も深刻化しているため今後も状況は悪化が続くと予測される。ソウル大学社会発展研究所と韓国保健社会研究院の研究によると、学齢人口減少のため2040年代には韓国の大学385校のうち半分ほどだけ生き残るという。おそらく廃校になる大学の大部分は地方大学だろう。
まだ首都圏の多くの大学は学生募集に大きな苦労がないためなのかこの問題をそれほど深刻と考えていないようだ。だがこの余波はすぐ首都圏の大学にも及ぶだろう。人口学者の予測によると20年後には首都圏の大学の定員だけで全国の学齢人口をすべて受け入れられるようになる。すなわち現在の首都圏大学人気が続くならば地方大学は1校も生き残れないという予測だ。果たして韓国の政界はこうしたことが起きるよう放っておくだろうか。間違いなく地方区の国会議員を中心に首都圏大学の定員を減らせという法案が相次ぎ提出されるだろう。すなわち遠からず首都圏の大学も定員を減らせという強い圧力を受けるほかないという話だ。20年という時間は大学の変化を起こすのに絶対に長い時間ではなく、首都圏の大学もいまから定員縮小に対する備えをしなければならないだろう。