韓国政府関係者「北朝鮮、韓国大統領府に船送還を要求した状況ある」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.17 13:23
文在寅(ムン・ジェイン)政権の2019年に脱北した漁民を強制送還した決定と関連し、北朝鮮が韓国政府に彼らを送り返すよう要求した状況があるとの主張が出てきた。文政権はこれまでこの決定は北朝鮮と関係のない自主的な決定だと明らかにしてきた。
韓国政府高位関係者は15日、「北朝鮮が、船が南下している際にすでに『向かっているので送り返せ』と(青瓦台に)伝えた状況がある。南下していることを当時青瓦台(チョンワデ、大統領府)に先に教えたもの」と話した。
その上で「早くつかまえて送れというメッセージ。(青瓦台は)事実上(脱北漁民が)南下してくる前に北朝鮮に送る考えで待っていたものとみられる」と明らかにした。北朝鮮が脱北漁民を送り返せという要請を韓国政府に先にし、当時青瓦台が調査をする前にすでに送還決定を下していたという趣旨だ。
同関係者は具体的な状況については「捜査で明らかになるだろう」とした。
こうした主張はこれまで文在寅政権が強制送還を自主的な決定だと強調してきたものと真っ向から食い違う。当時の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は2019年11月に国会外交通商委員会で強制送還決定が「北朝鮮の顔色うかがい」ではないのかとの指摘に対し、「北朝鮮が送還を要求したことはなく、われわれが原則と基準を持って(送還を)決めたもの」と明らかにしていた。
これに対し「共に民主党」は強く反発した。青瓦台民情秘書官を務めた金永培(キム・ヨンベ)議員はJTBCとの電話で「北朝鮮の要請が先にあったというのは話にならない。それなら根拠を明らかにすべき。該当船舶がNLLを行ったり来たりする状況で韓国軍がモニタリングを通じて十分に認知できるのに北朝鮮の要請で知ったというのも話にならない」と反論した。