【社説】「帝王的大統領」の終息、これ以上先送りすることはできない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.01.30 13:23
野党「国民の力」尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領候補が「執権すれば既存の青瓦台(チョンワデ、大統領府)は国民に返し、大統領室は光化門(クァンファムン)政府庁舎に構築する」という公約を発表した。大統領執務室だけでなく官邸も別の場所に移すという事実上の「青瓦台解体」構想だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も2017年の大統領選挙時にこれと似た「光化門執務室」の公約を出している。
しかし現実には進む道は長い。1987年の民主化以来「帝王的大統領」から抜け出した大統領はまだ1人もいない。大統領は実際に執権すれば市内から離れた青瓦台で巨大権力を行使してきた。大統領制の母胎である米国はオーバルオフィス(大統領執務室)そばに参謀陣が常勤し円滑に疎通するのに対し、青瓦台は大統領がごく少数の参謀陣を中心にだけ接触し民心と遮断された構造だ。こうした中で尹候補が「青瓦台解体」の公約を出したのは評価に値する。だがもっと重要な論点がある。協治を掲げながらも青瓦台に入れば「帝王」のように変わり国政を専有する根本原因である87年憲法構造を変えるべき時になったという点だ。