＃リビングでテレビを見ている人々の様子が映し出されている。台所のテーブルは散らかっていて、ソファの上には脱ぎっぱなしの衣服が置かれている。人々は、自分が撮影されている映像を誰かが見ているという事実を知らないまま、リラックスした姿でリビングを行ったり来たりしたり、身なりを整えたりする。

自分と家族の安全のために設置したカメラが、知らない誰かが私生活を覗き見る通路になるとしたら？中央日報の取材結果、家や店などに設置されたＩＰカメラの映像が海外サイトで生中継されていた。初期ＩＰカメラのセキュリティの弱点を悪用し、同意もなく各個人の私生活を覗き見ることができるようにした。

１３日現在、ロシアで運営されているＡサイトは全世界の個人・機関が設置したＩＰカメラ１万７０００台余りを通じて中継している。彼らはサイトの紹介に「世界で最も大きいＩＰカメラディレクトリに来たことを歓迎する」とし「全世界に設置されている道路・事務室・ビーチなどのウェブカムを見ることができる」と説明している。

ＩＰカメラはモニターに信号を伝送する閉回路（ＣＣ）ＴＶとは違い、通信網を通じてリアルタイムに送出される映像装置のことを指す。最近、家庭で防犯用に設置する「ホームカメラ」や伴侶動物を世話するために設置する「ペットカメラ」などのほとんどがこれと同じ方式だ。

◆世界１万７０００件中継…韓国２６００件、米国に続き２番目に多い

サイトは映像を▼ＩＰカメラメーカー▼国▼撮影テーマ▼都市▼時間帯－－などにカテゴリー分けして利用者が見やすいようにしてある。

国別カテゴリーで中継されているＩＰカメラのうち、韓国に設置されているものは２６００件余りだった。米国（約３５００件）に続き２番目に多かった。続いて日本（約１５６０件）、台湾（約１０００件）、ロシア（約７６０件）の順だった。

◆アダルト業者の客の出入りの様子も…

実際に、「韓国」を選択して入ってみると、ある家庭のリビングからモーテルの廊下、スーパーマーケット、農場の畜舎、ネットカフェ、宝くじ売り場まで、さまざまな場所の様子が登場する。さらに「ＸＸマッサージ」というアダルト業者を撮影しているカメラも生中継されている。防犯のために設置されているものなので、誰が行ったり来たりするのかも比較的鮮明に画面で確認できる。

「ＸＸマッサージ」に入店する男性の様子、宝くじ売り場で番号を入力する事業主の様子、駐車場の一方でたばこを吸う人の様子などだ。これらすべては個人にとっては敏感な「私生活」だ。さらにＩＰカメラが設置された都市もソウル・高陽（コヤン）・晋州（チンジュ）・光州（クァンジュ）など詳細に表示されている。緯度や経度まで表示されるが、これを調べてみた結果、インターネットサービス（ＩＳＰ）事業者の住所が出てきた。

「リビングが覗き見られていた」　韓国２６００カ所が“リアルタイム生中継”　ショック（２）