【時視各角】世の中は善意だけで回らない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.04 10:39
ワクチンがなくなる時期が近づいている。韓国政府は需給計画にいかなる問題もないと話しているが、目の前の現実は底が見える備蓄量だ。まだ集団免疫まで前途は遠いが、韓国国民はワクチンに関してその日暮らしをする状況を迎えたということではないのか。今になってロシアのワクチン導入を検討中と言い出し、一部ではイスラエルの余分のワクチンを導入すべきだという主張もある。このままでは習近平主席の訪韓が実現すれば中国ワクチン導入が有力な代案に浮上するかもしれない。我々だけが直面しているものでなければ快く我慢できる。しかしワクチン確保レースで先を進む国々が速いペースで日常生活に復帰しているのを眺めると、心中は穏やかでなく、矛先は自ずと政府に向かう。
ところが政府はこうした現実の責任を負わず他人に転嫁している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は国際社会の競争とワクチン開発国の自国優先主義、強大国のワクチン買い占めをまとめて批判した。感染病は国際連帯と協力して克服すべきだという大統領の信念は異論の余地なく正しい言葉だ。しかし残念ながら世の中はそのように回らない。米国が余分のワクチン6000万回分を外国に出すとし、このうち2000万回分をインドに供給すると明らかにした。バイデン大統領には申し訳ないが、純粋な人道主義の発露とは受け入れがたい。