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【社説】ワクチン政局で韓国大統領府・与党がまたメディアのせい

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.12.24 11:13
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新型コロナの苦痛が深刻だ。国民は苦しみながら日々を過ごしている。何よりも耐えがたいのが、コロナ事態がいつ終わるか分からないという恐怖と不安だ。ワクチンの確保が切実である理由はここにある。米国・英国はすでにワクチン接種を開始している。欧州連合(EU)27加盟国とサウジアラビア・イスラエル・シンガポールでも一部で接種がすでに始まったり、年内開始を予定している。我々は「ワクチンのない冬」を送らなければならない。その後もワクチンをいつ確保できるか確定していない。朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官が先月17日、「両社(ファイザー、モデルナ)も一般的な予想とは違い、早期に契約しようと催促する状況」と述べたが、その間、いったい何をしていたのか。「7月の感染者数が100人程度だったため、ワクチンへの依存度を高める考えがなかった側面がある」という丁世均(チョン・セギュン)首相の吐露からも分かるが、その間のワクチン確保に向けた準備はひどいレベルだった。

にもかかわらず青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)と与党は反省するどころか、メディアのせいにしている。青瓦台は一昨日、姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官の名義で出した書面ブリーフィングで「ワクチンの政治化を中断してほしい」とし、4月以降の文在寅大統領のワクチン関連の指示と行動を公開した。ワクチンを確保できなかった現状況に対するメディアの憂慮を「ワクチンの政治化」というのは極めて不適切だ。

 
しかも青瓦台のブリーフィングは、文大統領が何度かワクチンの確保を指示したという内容だが、それなら保健福祉部と疾病管理庁が指示を従わなかったのか。典型的な責任転嫁としか考えられない。

与党・共に民主党はさらに深刻だ。李洛淵(イ・ナギョン)共に民主党代表は一昨日、ワクチン関連報道について「一部のメディアは誇張、歪曲した報道をしている」とし「不正確な報道で国民の不安を強めて国民と政府を分離するのは、防疫に混乱をもたらし、民生の安定を妨害する」と主張した。記者出身の与党代表がワクチンなしに越冬しなければならない国民の苦痛に対する責任には言及せず、フェイスブックに載せたコメントは「メディアのせい」だった。これに先立ち金太年(キム・テニョン)共に民主党院内代表も、一部のワクチン報道とついて「韓国を敵対視する日本極右メディアの記事のように見える」とし「安全性を最大検証して接種するのが原則」と弁解した。

与党がメディアのせいにするのは昨日今日のことでもないが、ワクチンを確保できなかった現実の前で無能と無責任に対する反省なくメディアに矛先を向ける姿はまさに稚拙だ。そのような時間があるのなら、ワクチン確保に向けた努力にすべて注ぎ込むべきだろう。これ以上、政府の無能で国民を苦しめてはいけない。何よりも文大統領がこれまでの経緯を説明し、自ら問題の解決に動くべきだ。その道しかない。

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