【中央時評】韓国の民主主義、危機なのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.11.27 10:34
2018年に中国で開かれた学術会議のことだ。韓国民主主義に関する筆者の発言が終わると、ある中国の政治学者の質問が続いた。要約すると、なぜ韓国には任期をまともに終えて成功する最高指導者がいないのかということだった。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾・罷免だけでなく、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の逮捕、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の悲劇的な結末にまで言及し、韓国の民主主義体制に根本的な問題があるのではというような挑発的な質問を投げかけてきた。一方では不快だったが、別の一方ではどう答えるべきか悩んで緊張したことを覚えている。筆者はこう答えた。
韓国の市民は指導者個人よりも民主主義体制に信頼を送る。世論調査をしてみると、過去の権威主義時代のように強い政治的リーダーが必要だと答える回答者はいるだろうが、誰も現在の民主主義体制から過去の権威主義体制に戻ることを望むとは答えない。政治学ではこれを民主主義の定着(democratic consolidation)というが、民主主義が「唯一のゲームの規則(only game in town)」として受け入れられる状況を意味する。韓国市民の民主主義体制に対する信念は強く、したがってやや急激なリーダーシップの変化の渦中でも民主主義を維持して発展させることができた。