【中央時評】文大統領の非情な沈黙(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.24 10:46
青瓦台(チョンワデ、大統領府)の請願に「死者の名誉毀損を厳重に処理してほしい」と言って群れで集まり、被害者を「李舜臣(イ・スンシン)官奴」「美人局」にたとえる低級な部類の言動は無視するとしよう。ちょっと勉強したという人間の姿はもっとうら悲しい。「セクハラ証拠」を出せと攻撃し、朴前市長と腕組みをした写真をネット上に流して「私もセクハラした」と嘲笑し、「#MeToo(ハッシュタグミートゥー)」運動を触発した女性検事はいつそんなことがあったのかといわんばかりに「失踪」状態だ。「ネロナムブル(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫)」を勲章と出世街道と考える卑劣な世相が大統領の沈黙と関係がないといえるだろうか。
力を持つ者だけが話す権利と話さない権利を独占するのが沈黙の法則だ。恐ろしいほどに冷たい大統領の権力型沈黙は、政権次元で保身を図るために組織的沈黙で導く暗黙的圧迫だ。「かわいいからそうしたのだろう」というソウル市、捜査意志があるのか疑問の警察、猟犬と愛玩犬の間を政治的に綱渡りした「秋美愛(チュ・ミエ)の検察」、そのどこに行っても真実の時間はやってこないだろう。慰安婦被害者の李容洙(イ・ヨンス)さんが「利用されるだけ利用された」と暴露したのが5月7日のことだったが、それから70日が経過しても、尹美香と日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯は健在だ。大統領が不満を沈黙の形で固執している限り、真実究明は懐疑的だ。