【社説】信頼失った外交安保ライン、全面刷新する時だ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.16 09:59
6・15南北共同宣言20周年の朝、北朝鮮は韓国に報復すると宣言した。2000年6・15共同宣言は韓国の金大中(キム・デジュン)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンウン)総書記が南北和解の道を開いて統一の希望をもたらした歴史的事件だった。しかし昨日、北朝鮮は労働新聞を通じて「霜柱が立つ報復の行動は最後を見届ける時まで続くだろう」と明らかにした。6・15精神を蘇らせるべき状況で、南北和解の原形そのものを壊そうとする極めて憂慮のある動きだ。
労働新聞の警告は、13日に金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が「軍事行動権を総参謀部に渡す」という発言を受けたものだ。実際、北朝鮮の挑発も排除することはできない局面だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で「6・15宣言20周年を重い気持ちで迎えることになった」と吐露した。
北朝鮮が脅迫的な方向に急変して南北関係が破綻に達したのは、これまでの政府の粗雑な北朝鮮政策と無能な外交安保ラインのせいであることが小さくない。政府は最初から北朝鮮非核化と南北関係改善を非常に楽観的な方向からしか見ていなかった。そのような期待にばかり寄りかかり、度を越した北朝鮮の誤った行動に対して正確な立場を定められないまま引きずられて行くしかなかった。しかも北朝鮮は2018年から相次いで開かれた南北および米朝首脳会談の最中にも核兵器の生産を中断しなかった。北朝鮮の核兵器増強を憂慮した米国の政府や民間は北朝鮮の完全な非核化を要求し続けた。それでも韓国政府は北朝鮮の意図と米国の雰囲気を十分に把握できないまま、和解の外観だけに汲々とした仲裁にこだわっていた。2019年ハノイ米朝首脳会談は決裂し、韓国政府の仲裁の役割は米国と北朝鮮の双方から信頼を失うことになった。