【中央時評】最大の危機を迎えた文在寅政権
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.03 10:15
李明博(イ・ミョンバク)政権は1回KO負けを喫した。2008年4月、BSE(牛海綿状脳症)事態が決定打だった。2007年末の大統領当選直後には70%を超えていた支持率も21%で急転直下した。わずか4カ月で国民の心は離れた。最高経営責任者(CEO)出身の大統領に期待した規制緩和や公企業民営化など改革課題は推進力を失った。驚くことに政権の序盤に事実上のレームダックが始まったのだ。
なぜそうなったのだろうか。その短い期間に国民は大小の傷を負った。政府は特権層のにおいを漂わせ、特定階層向けのあいさつをした。国民の同意なく大運河に固執した。「良い暮らしをする国をつくるというのに何の問題があるのか」と言って強行した。自己過信だった。勝者独占の態度が表れた。見守る国民の胸の中にはうっ憤がたまっていった。
こうした中でBSE怪談が出てきた。悪意的なフェイクニュースだったが、政府は心が離れた国民を説得することができなかった。政府が米国に好意的な態度を見せるために国民の生命を売ったと多くの人が考えた。たまった怒りはいつのまにか疑惧に変わっていった。「大統領は国民の痛みを自身の痛みとして感じているのだろうか」。李大統領はBSE事態から2カ月が経過してから「青瓦台(チョンワデ、大統領府)の裏の山に登って自らを叱責した」と述べながら謝罪した。タイミングを逃した後だった。