【コラム】通貨危機当時と似ている点、もっと悪い点=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.10.01 08:51
多くの人が経済が危機だと話す。チョ・グク氏をめぐるスキャンダルに熱を上げながらも経済に話題が移るとため息が続く。いまの経済が正常でないという指標はひとつやふたつではない。経済の総体的成績表である成長率は2%の達成が難しいようにみられる。通貨危機(1998年、マイナス5.5%)や金融危機(2009年、0.7%)のような危機状況を除きこうした低成長はなかった。経済がまともに成長できず、政府が財政を放出して作る臨時雇用以外には雇用が十分に生じておらず、お金が回らずついに物価がマイナスに落ちたこの状況が危機でなければ何が危機なのか。通貨危機が急性心筋梗塞だったなら、いまは体内で重病にかかっている格好だ。
韓国経済で国の外為金庫がすっかりなくなるような通貨危機が訪れる可能性は低いとみる。政府が口さえ開けば自慢していた通り外貨準備高は4000億ドルを超えた。国際金融市場が台無しになる状況ではないならデフォルトを心配するほどまで進まないだろう。心配になる点は2019年の韓国社会が1997年の通貨危機当時と類似した点が少なくないということだ。
まず執権勢力内部の危機意識不在だ。「韓国経済は正しい方向に行っている」という文在寅(ムン・ジェイン)大統領の認識がこれを代弁する。危機がくるのに危機を認識できなければ経済はとんでもない方向に流れる。97年当時韓国社会は「韓国経済はファンダメンタルズが堅固だ」という「ファンダメンタルズ論」に酔っていた。そんな非理性的楽観論の中で改革と構造調整のタイミングを逃した。同年に韓宝(ハンボ)鉄鋼をはじめ、真露(ジンロ)、起亜(キア)など大企業の倒産が続いたが不良企業手術は遅々として進まず、結局海外資本の離脱と通貨危機につながった。