カーマゲドンの悲劇? 希代の逃走者になった「日産の英雄」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.06 07:16
危機克服には英雄が必要だ。英雄のカリスマは組織に危機感を吹き込んで変化を引き出すために決定的な役割を果たす。だが使用価値が尽きた英雄は時にのけ者身分になる。「日産復活の英雄」から「希代の逃亡者」になってしまった日産自動車のカルロス・ゴーン前会長(66)がそのようなケースだ。だが、過去の英雄が離れた場所に危機は再びやってくる。
ゴーン氏は新年に入って、世界のメディアから最も大きな関心を集める企業家だ。格別な経営成果ではなく、映画のような逃走劇のためだ。NHKやニューヨーク・タイムズなど主な外信によると、不正容疑で自宅軟禁状態だったゴーン氏は昨年12月29日、東京の自宅を脱出した。楽器のケースの中に隠れて家を出たという当初の外信報道とは違い、防犯カメラにはゴーン氏が悠々と歩いて家から出て行く場面が捉えられた。続いて大阪関西国際空港に用意されていた専用機に乗ってトルコ・イスタンブール空港を経てレバノンに到着した。レバノン系ブラジル生まれのゴーン氏にとっては、10代の学生時代を過ごしたレバノンは第2の故郷のような場所だ。ゴーン氏は大型手荷物の箱に隠れて関西空港の荷物検査を通ったものと推定される。NHKは空港関係者を引用し、当時手荷物の箱はX線検査を受けなかったと伝えた。ゴーン氏は今月8日にレバノンで記者会見を行い、詳しい脱出の経緯やその理由などを明らかにするものとみられる。ゴーン氏はハリウッド映画製作者と会って自身の話を映画化することも議論しているという。