【社説】国民の耳を疑わせる韓国統一部長官
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.12.04 10:50
金錬鉄(キム・ヨンチョル)韓国統一部長官の北朝鮮ミサイル関連発言が波紋を呼んでいる。金長官は一昨日、韓国プレスセンターで開かれた寛勲(クァンフン)討論会で、「北が歩むという新しい道とは何か」という質問に対し、「(北の)各種多様な方式の短距離(弾道)ミサイルによる抑止力強化」と答えた。軍事用語で「抑止力」は敵対勢力が攻撃や挑発をできないようにする軍事力をいう。金長官の発言なら、北朝鮮は韓米の挑発を防ぐための防御的レベルでミサイルを最近相次いで発射したという話になる。金長官の主張なら韓米が挑発勢力であり、北朝鮮のミサイル発射に正当性を付与するものと解釈できる。しかし国連安保理は北朝鮮の弾道ミサイル発射を禁止している。
金長官が北朝鮮のミサイル発射を防御的な抑止力と解釈したのはとうてい理解できない。防御的な立場はむしろ韓国だ。これまでも北朝鮮は新しい武器を開発し、常に先に挑発してきた。延坪島(ヨンピョンド)挑発、韓国哨戒艦「天安」爆沈、DMZ木箱入り地雷事件、江陵(カンヌン)浸透事件など数えきれないほどだ。北朝鮮は10月にも対南宣伝メディアを通じて「延坪島を忘れたのか」と題した映像をホームページに載せて我々を脅迫した。延坪島砲撃挑発は2010年11月に北朝鮮が長射程砲などで延坪島を砲撃し、民間人の死傷者を出した事件だ。北朝鮮の映像脅迫は無慈悲な蛮行をまたすることもあるという脅しだ。