【社説】理解しがたい韓国政府の外交安保ライン人事
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2019.03.09 11:37
昨日の内閣改造で最も残念なのは、問題が多い外交・安保ラインに手を加えずほとんど留任させた点だ。2017年5月の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足と同時に起用された康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は1年10カ月間の在任期間中、情報力と判断力が不足して非核化や対日関係などで少なからず外交的失敗をしたという評価を受けている。特にベトナム・ハノイでの2回目の米朝首脳会談を控え、2人は会談当日まで米国などパートナーとの情報共有が十分でなく判断を誤ったと伝えられた。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は会談の結果を楽観し、文大統領が米朝首脳の署名式をテレビで見守るイベントまで準備していたという。これは2人に相当な責任がある。
一方、平壌(ピョンヤン)の内心とワシントンの気流を比較的よく把握して対北朝鮮政策に慎重な立場を堅持してきたという評価を受ける趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は更迭された。その代わり大統領選挙当時に文在寅候補陣営で外交安保統一諮問委員として活動した金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一研究院長が指名された。金錬鉄氏は開城(ケソン)工業団地の閉鎖を「自害的手段」と批判し、1月には新聞への寄稿で「今すぐ対北制裁緩和という手段を活用すべき」と主張した。対北朝鮮制裁の枠の中で南北関係進展を追求した現実主義者の趙明均長官の代わりに、「制裁無用論」を叫んできた陣営出身者を統一部のトップに座らせたのだ。米国の反発に背を向けて開城工業団地と金剛山(クムガンサン)観光の制裁解除を強行しようという「マイウェイ」宣言ではないか懸念される。