【コラム】荒くなった金正恩氏の口…南北、水面下での接触で何があったのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.23 10:02
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏の口が荒くなった。韓国への誹謗はもちろん、脅威性発言まで生の声で吐き出している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領を狙って暴言を吐く場合がとりわけ増えた。ミサイル発射や新兵器体系の導入現場を視察した後、このような言及を出して翌日官営宣伝メディアが伝える方式だ。非難の口調も次第に強まり、すでに危険水位を越えたという見方が北朝鮮専門家グループはもちろん政府当局者の間から出ている。
度重なる金正恩国務委員長の非難で南北間の雰囲気は少し冷え込んだ。昨年2月、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を契機に行った韓国への特使派遣と3回にわたる南北首脳会談で盛り上がったこととは雲泥の差だ。なぜこのようなことが起きたのだろうか。表に現れ、知らされた事実だけでは理解されない部分が少なくない。金正恩委員長が直接文大統領を名指して「侮辱」に出るほど悪材料はなかったという点からだ。何が金正恩委員長の意地悪を呼んだのだろうか。
文在寅大統領に対する北朝鮮の非難攻勢は対北問題を相当期間取り扱ってきた観測通の頭をもたげさせている。ことごとに難癖をつけて激しい誹謗を吐き出すのはもちろん、口にし難い表現を動員するという点からだ。頑固な北朝鮮への態度で対立した李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)前大統領執権当時、北朝鮮が加えた非難攻勢に次ぐ水準だ。首脳会談会議場で金正恩委員長が直接会って交感し、米朝関係が行き詰まった時かけ橋の役割を果たした文大統領に対する態度だとは信じられないほどだ。