<Mr.ミリタリー>「北政権、核兵器を使用すれば人類の歴史から消滅」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.16 14:09
2010年の冬、韓国軍の士気は深刻だった。同年3月、西海(ソヘ、黄海)ペクリョン島沖で北朝鮮の潜水艇が発射した魚雷で韓国哨戒艦「天安」が沈没し、11月には北朝鮮軍の砲撃で延坪島(ヨンピョンド)が火の海に変わった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の登場を控えての挑発だった。「天安」爆沈で海軍の将兵46人が戦死した。延坪島砲撃では海兵隊兵士2人と民間人2人が死亡した。しかし韓国軍はまともに対応できず国民の批判を受け、信頼は大きく落ちた。今が似た雰囲気だ。実際、北朝鮮の核の脅威はさらに増して深刻だ。
2010年末、国防部と合同参謀本部は低下した士気を回復させるために知恵を集めた。同年12月に任命された金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官は北朝鮮に対する警告レベルで延坪島射撃訓練計画を立てた。北朝鮮が敏感に反応する西海の北方限界線(NLL)近隣の海域が射撃地点だった。すると北朝鮮は「韓国軍が延坪島で野砲射撃訓練をすればまた砲撃する」と脅迫した。退けない国防部は強力な作戦指針を決めた。北朝鮮軍がまた挑発すれば▼挑発原点▼支援勢力▼指揮勢力まで順に打撃するという内容だ。したがって南北がその通りに応戦すればあっという間に戦争になるところだった。延坪島とペクリョン島など西海の島嶼と北朝鮮黄海道(ファンヘド)が戦場になり、北朝鮮の砲弾とミサイルがソウルに飛んでくることも考えられた。