済州基地の機能は離於島守護だけでない。有事の際、北朝鮮軍の艦艇を東西に完ぺきに分離する。東・西海路に分かれた北朝鮮海軍が済州の南側に回ってお互い支援できないよう牽制する。一方、済州基地の韓国艦艇は必要なら東海・西海を速かに支援できる。済州基地を活用して敵を分離遮断する一方、韓国は東海・西海艦隊（第１・２艦隊）を効果的に支援し、協同作戦を遂行できる。北朝鮮が釜山（プサン）や鎮海の海軍基地を機雷で封鎖する場合、艦艇を済州基地に移すことができる。済州基地のこうした戦略的な利点のため北朝鮮は批判的だ。

にもかかわらず韓国国民の一部は依然として済州基地に反対している。平和の島の済州になぜ軍事基地かということだ。先週の観艦式でもデモ隊は行事を見るために来た観客のバスが済州基地に進入できないよう妨害した。デモ隊の一員として放送のインタビューに応じた人たちは意外な人物だった。批判インタビューの主人公は済州住民でなく、ほとんどが参与連帯など市民団体の幹部か、全国民主労働組合総連盟（民主労総）傘下の労働組合幹部だった。済州基地建設過程で反対した江汀（カンジョン）村の住民でもなく外部の人がデモ隊の核心という点は理解しがたい。こうした外部の人たちが江汀村の住民を煽動して済州海軍基地に反対させたという疑いもある。

政府も江汀村の住民との葛藤を解消し、済州基地の周辺を発展させるため、２０１２年に国費５７８７億ウォンを含む１兆７７１億ウォン（約１０７０億円）を投入することにした。この計画に基づき済州基地に１５万トン級クルーズ船２隻を係留できる施設とクルーズターミナルなどを建設するなど８件の事業を完了した。しかしその後の事業進行が遅い。「過去の苦痛・葛藤・分裂の傷を癒やして未来に進むべき時だ。ハワイを見てほしい。世界最大の海軍基地があるが、平和の島として繁栄している」と文大統領が述べたように、各種事業がまともに推進することを望む。韓国史で海軍力が崩れた時は必ず外国勢力の侵略を受けて国が解体した。したがって済州が平和の島になる前に平和を守る拠点でなければいけない。そうしてこそ済州がハワイのように本当の「平和の島」になるのではないだろうか。


＜Ｍｒ．ミ誃タリー＞済州基地と北東アジア海洋での角逐（１）