韓経:【コラム】ソウル大をなくそうだって?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.31 11:41
過去、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の時に話し合われた「ソウル大廃止」が文在寅(ムン・ジェイン)政府下で実現しそうな雲行きだ。新政府が発足するや、ソウル大を全国の主要国公立大とひとまとめて学生選抜、学士運営、学位授与などを共同運営しようという「国公立大統合ネットワーク」が推進されているからだ。
ソウル大に象徴される競争中心の教育体制、これに伴う学閥序列化社会、生まれながらにして裕福ないわゆる「金の箸とスプーン」階級の学閥世襲などを打破しようというのがこの政策が望んでいる効果であろう。ソウル大さえなくなれば韓国から学閥序列は消えるのだろうか。おそらく延世(ヨンセ)大・高麗(コリョ)大がソウル大の空席を埋め、それもなくなれば成均館(ソンギュングァン)大や西江(ソガン)大などが後に続くのではないだろうか。これらをすべてひとまとめにして「全国国公私立大統合大学」を作るなら、金があり学歴を追う人々はやはり外国の名門大学に子供を行かせることになるだろう。
いわゆる「金の箸とスプーン、土の箸とスプーンの学閥格差」は阻もうとすればするほどより広がるのが資本主義社会の属性だ。そのうえ、ソウル大は学費が安くて奨学金も多いため、貧しい学生にとっては「川から出た龍」になるチャンスがある場所だ。ソウル大がなくなれば、登録料が1000万ウォン(約99万円)に迫る私立大で、彼らの機会は縮小される一方だろう。名門ソウル大の学位を地方国公立大が共有すれば彼らも「上向き平準化」されるだろうと強弁する人々もいる。だが、全国30校の国公立大を統合すれば、その算術平均と同じ「下方平準化」がもたらされるということが常識的に予想される。