【寄稿】正義よりも法治が優先だ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.15 15:55
「国の経済状況も重要だが、正義を貫くほうがもっと重要です」。朴英洙(パク・ヨンス)特別検察官が先月16日、サムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長に対して賄賂供与および偽証容疑で事前拘束令状を請求した時に述べた言葉だ。法の最高理念が正義で、長期的に正義が実現されてこそ韓国経済がさらに成長できるという点では全面的に同意する。それなら果たして正義は至高至善の価値なのだろうか。明らかに刑法規定に外れていても、ただ正しければ財閥会長だろうが大統領だろうが誰でも処罰することができるというのだろうか。
「正義を貫くことも重要だが、法治を貫くほうがもっと重要です」。経済より正義を前に出す特検に対する筆者の反論論理だ。経済を離れて、正義を離れてひたすら法治の観点から、特検が検討中の李副会長に対する拘束令状再請求の正当性について詳しく見ていきたい。わずか20余日前、特検は、サムスン物産と第一毛織の合併当時、国民年金管理公団の賛成を条件にサムスンが崔順実(チェ・スンシル)母娘を不当に支援したとして拘束令状を請求した。しかし、裁判所は賄賂犯罪の要件となる代価関係と不正な請託などに対する疏明程度、各種支援経緯に関する具体的な事実関係とその法律的評価をめぐる論争の余地、賄賂授受者に対する調査が全く行われていない点などを根拠に令状を棄却した。