【コラム】廉恥心を失った韓国社会(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.05.26 13:40
先週翻訳出版された『米国の世紀は終わったのか?(Is the American Century Over)』は、ハーバード大学のジョセフ・ナイ客員教授の最新著書だ。米国きっての国際政治専門家の1人であるナイ教授は本の中で、米国の世紀を終息させかねない潜在的な対抗勢力の実力を1つひとつ点検することから始めている。彼の分析によれば欧州連合(EU)・日本・ロシア・インド・ブラジルはいずれも米国のライバルにはなれない。唯一可能性がある国は中国だ。
だが中国もまた、ハードパワーやソフトパワー、そしてその総合であるスマートパワーで少なくとも数十年以内に米国を凌駕する可能性はないと断言する。したがって外部からの挑戦によって米国の世紀が終わる可能性はないということだ。ただし彼が心配しているのは米国の問題だ。ローマ帝国が内部の分裂と腐敗のために崩れたように、米国が自らの問題のために衰退の道を歩むことになる可能性を警戒しなければならないということだ。
ナイ教授が最も深刻だと考えていることの1つが政治システムだ。彼は米国の政治制度のあちこちに席を占めているマヒ現象のために、国力の構成要素が現実的な力を発揮できないほど政派的対立による国政マヒが深刻なレベルだと指摘している。たとえ昨日今日の問題ではなくても、重要なことは今のこうした制度で未来に直面することになる問題に果たして耐えられるかという点だと、彼は深い憂慮をあらわしている。