【コラム】韓国の歴史教科書、怠けた右派学者が負けた(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.12.19 11:18
右から左への移動はそのように始まったが、なぜか検定教科書を発行した当時、保守と教育部はいずれも沈黙した。北朝鮮が独自の自主路線を探って強力な統治体制を確立したという内容や、金日成(キム・イルソン)主席の普天堡戦闘を強調させたにもかかわらず、沈黙で一貫した。無責任なことではないか。かつて国定教科書を執筆したという学者は「検定教科書を精査して鋭い問題意識を持つべきだったのに油断した」と嘆いた。
国定教科書は手続きの正当性はもちろん、内容の面でも国民の信頼を得ることができなかった。十分な時間をかけて当代最高の執筆陣を構成し、最上のコンテンツを作ることに力を入れなかった。検討本の序文には、検定教科書にはなかった説明が入っている。「過去をありのまま叙述するのが歴史家の責務」と主張したドイツの歴史家レオポルト・フォン・ランケの史実と客観の歴史と、「歴史は過去と現在との絶え間ない対話」と定義した英国の歴史家E・H・カーの解釈と主観の歴史観だ。教科書は「歴史の記録が正確な史料に基づいて再構成されたのか、歴史家の観点がバランスの取れたもので、適切なものかを様々な観点から調べるのが歴史研究の目的」と強調した。