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【噴水台】ドローンで落とす対北朝鮮「情報爆弾」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.16 13:53
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1980年代の共産治下時期、東ドイツの化粧品にはどの国の製品よりもセクシーな香りが漂った。東ドイツ人が好んで観ていた西ドイツのテレビのためだった。東ドイツの女性たちは西ドイツのテレビの化粧品広告を額面そのままに信じた。これだけ塗れば男たちが行列をつくると勘違いした。東ドイツ製で満足するわけがなかった。女性たちの不満が大きくなると東ドイツ政府も黙ってはいられなかった。化学者たちに命じてあらゆる甘い香りの化粧品を開発した。それでも東ドイツの女性たちは満足できなかった。広告の属性が分からなかったせいだ。

当初、東ドイツ当局は西ドイツのテレビの視聴者を見つけ出すために悪知恵を働かせた。教師たちを使い、子供たちに「最も好きな番組は何か」と尋ねて不穏な家庭を探させた。政策があれば対策がある。東ドイツの親たちはそのような質問にどう答えるべきか教えた。子供たちが寝ついた後にだけテレビを観て取り締まりを避けた。東ドイツ政府は結局、両手をあげて73年から西ドイツのテレビ視聴を許容する。メディアの威力を見せる事例だ。

 
9日に金正恩(キム・ジョンウン)政権が5次核実験を敢行すると、内部からの北朝鮮崩壊のほかに答えがないという主張が力を増している。東ドイツのように自ら崩壊させるためにどうしても必要なのが外部世界についての情報だ。東ドイツの前例から見て、北朝鮮住民が韓国の映画やドラマ・ショーを観ることさえできるならば、やめることはない。

不幸にもテレビの送出方式が南側はNTSC、北側はPALと違っており北朝鮮で韓国の放送を見ることは不可能だった。だが、こうした不通状況は技術の発達によって変わった。北朝鮮でもPCやDVDプレーヤーが一般化しながら韓国映画・ドラマも観ることができるようになった。これに合わせて対北朝鮮団体は南側の映像物を入れたUSB・DVDを風船につけて飛ばして送っている。さらにいくつかの団体はヘリコプター型ドローンで送っている。物をつなげた風船が海に落ちたり戻ってきたりすることが頻繁なせいだ。

米国務省も最近、外部情報の北朝鮮内の拡散を助けるための「対北朝鮮情報流入報告書」を議会に出した。米行政府も積極的に取り組むという信号だ。

このような情報爆弾を北朝鮮の地に落とす時に注意すべき点がある。かつて西ドイツ政府は共産体制を露骨に批判する内容は送り出さないよう気をつけた。それでこそ東ドイツ政府もおおざっぱに行えるためだった。韓国も政治的な臭いが染みついていないドラマや映画を送り込むのが望ましい。その程度でも韓国と北朝鮮の間の優劣の是非がすぐに出て、金正恩(キム・ジョンウン)政権の基盤は根元から揺らぐだろう。

ナム・ジョンホ論説委員

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