【コラム】国立韓国文学館、残念(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.06.07 14:12
昨年12月に国会本会議を通過した文学振興法の一番の貢献者は、詩人でもある都鍾煥(ト・ジョンファン)議員だ。国会議論の過程でいくつかの争点がふくらんだ。国立文学館の性格と今後の文学政策に大きな影響を及ぼす「文学振興政策委員会」の法的地位の問題もそれに含まれる。国会常任委(教育文化体育観光委)で多くの議員は、国立文学館を国立中央博物館のような文化体育観光部傘下の政府機関として作ろうと主張した。文学振興政策委についても執行機能を持つ常設機関にしようという意見が強かった。文化体育観光部は、政府機構の増設と予算負担に対する自治行政部・企画財政部の反対と政府の委員会縮小の原則を上げて難色を示した。
国会の速記録を見ると、興味深い場面が登場する。昨年11月26日に教文委の法案審査小委で当時の李宗勲(イ・ジョンフン)議員がした話だ。「私がもし都(鍾煥)議員なら、私はこれを国家所属機関にしないでおこうと主張し、むしろ文化体育観光部が国家所属機関にしようと主張しそうで非常に混乱した。(中略)私はこの国立文学館が官僚化されないことのほうがはるかに重要だと考える」。どういう意味であろうか。経済学者である李宗勲議員の立場としては、文学をよく知っている者たちが国立文学館を長官部下の「国家機関」にしようと主張することをいぶかしく思ったのだ。文学、さらには文化芸術の本領である創意性・自律性・独立性を指定した彼の発言こそ核心を突いていたと私は考える。ほかの議員の「現実論」にも当然根拠があるが、李宗勲元議員の原則論は今後の文学界が重ねて繰り返してみる価値がある。