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【現場から】THAADの話が出れば…先走る米国、収拾する韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.06.04 14:34
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高高度ミサイル防衛(THAAD)体系をめぐる韓米政府の真実ゲームがまた始まった。ゲームの様相はいつものように、米国側が発言し、韓国側が否認して収拾する格好だ。第15回アジア安全保障会議(シャングリラ対話)の取材のためシンガポールに滞在中だった3日午前6時2分(現地時間)。携帯電話に文字メッセージが入った。「THAAD配備に関する国防部の立場です」という内容だった。国防部はよく文字メッセージやメールで立場を明らかにしてきた。異例なのは時間だった。国防部がそれだけ焦っていたということだ。

特に目を引いたのはカーター米国防長官のTHAAD関連発言を国防部が全面否認する内容だった。顛末はこうだ。カーター長官は2日(現地時間)、シンガポールへ向かう専用機内で記者らに会った。そしてTHAADに関してこのように述べた。「THAADは韓米同盟が決めることであり、議論が現在進行中だが、(4日に開催される)アジア安全保障会議で韓国国防長官に会い、THAAD配備について議論する可能性がある…」。

 
韓民求(ハン・ミング)国防長官に会って議論する可能性があるとまで述べただけに、カーター長官の発言は失言とは見なしにくかった。さらにカーター長官に随行した米国防総省の関係者は「(THAADの)韓半島(朝鮮半島)配備を近く(soon)公式発表する」とまで話した。

驚いたのはTHAADという敏感なイシューにぶつかった韓国国防部だった。一日中、鎮火に注力した。国防部は「まだ発表できるほど協議は進行していない。シャングリラ対話で韓米国防相の間でTHAADを議論する計画もない」と否認した。韓長官までが動き出した。韓長官は3日、シンガポールで記者らに対し、「在韓米軍のTHAAD配備は、韓米共同実務団が準備した建議案を両国政府が承認する手続きを踏んで行われることになっていて、現在、共同実務団が慎重に協議を進めている。このような過程と手続きについては韓米両国が同じ認識をしている」と述べた。続いて「THAAD問題は今回の会談の議題ではない」と一線を画した。

カーター長官のTHAAD発言はこれまでもそうだったように、ペンタゴンの「発言」→韓国国防部の「否認」で収拾がつく格好だ。しかしいつも同じパターンを繰り返す鬼ごっこを見る人の気持ちは穏やかでない。

THAAD論争の始まりは2014年6月、スカパロッティ前韓米連合司令官の「本国にTHAAD配備を要請した」という発言だった。その後、政府は明確な釈明より、米国とTHAAD配備を議論していることを隠すのに汲々とした。昨年2月に「持続的に協議をしている」(カービー米国防総省報道官)、「非公式的に議論している」(ポール国防総省公報担当官)などの発言が出ると、青瓦台(チョンワデ、大統領府)までが乗り出して「3NO」(米国の要請、協議、決定もない)と明らかにした。

しかし韓国政府のこうした態度は、2月7日の北朝鮮の長距離ミサイル(ロケット)発射後に急変した。THAAD配備議論を公式化したのだ。3月4日に実務協議会構成と運営のための約定(TOR)を締結し、配備場所や運用方法を議論し始めた。

韓国政府内でもTHAAD議論が最終段階という声が出ている。中国を意識しなければならないため、THAADの話が出てくれば国防部が敏感に反応するのは分かる。なら、少なくとも韓米間で同じ声を出すべきだ。いつも振り回されながら他人の言葉を収拾するばかりの軍と国防部を見る国民は不安だ。

一方、日本TBS系列のJNNは3日、米軍関係者の言葉を引用し、「韓米が早ければ来年にもTHAADを大邱(テグ)に配備することで合意し、120人規模の在韓米軍レーダー部隊が運用する計画」と報じた。JNNは「韓国は当初、ソウル首都圏への配備を主張していたが、軍事拠点である釜山の防衛を含むより戦略的な運用を米国側が望み、大邱が選ばれた」と伝えた。

これに対し国防部のムン・サンギュン報道官は「敷地選定に関しては何も決まっていない」と釈明した。

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