【時視各角】リー・クアンユーが朴正熙を尊敬した理由(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.03.24 10:24
きのう他界したシンガポールのリー・クアンユー元首相は朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領が最後に会った外国指導者だった。彼は1979年10月16日に訪韓した。朴正熙は浦項(ポハン)製鉄を見せたかったが、リー・クアンユーは自尊心が強かった。慶州(キョンジュ)の文化遺産だけ見たいと言い張った。韓国政府は浦項空港に下りたリー・クアンユー一行を、浦項製鉄を突っ切って慶州に案内する小細工をした。だが、リー・クアンユーは車窓から見える浦項製鉄には一瞥もくれなかった。
リー・クアンユーの心を揺さぶったのは秋の日差しの中で実る黄金の平原だ。「韓国の農村は本当にすごい」。案内した韓国の外交官がセマウル運動と「統一稲」を自慢した。リー・クアンユーの顔にはうらやましさと負けん気が入り交じった。「驚いた。農民の腹がふくれれば共産革命は終わりです」。出国前日に青瓦台(チョンワデ、大統領府)で開かれた夕食会でリー・クアンユーはこのように話した。「朴大統領が目の前の政治だけ考えていたなら今日の大韓民国はなかった」。
リー・クアンユーは回顧録で、「韓国を繁栄させるという朴正熙の強い意志に深い感銘を受けた」としながら、「その5日後に殺害の知らせを聞いた」と残念がった。彼はいつも朴正熙とトウ小平、吉田茂を「アジア3大指導者」に挙げた。トウ小平はだれもが知る中国の改革開放を進めた人物で、吉田茂は戦後日本の平和と繁栄を設計した首相だ。