最後まで追われる韓国人、死の準備が必要(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.01 17:10
だが異例的に、あらかじめ死の準備をして余裕をもって亡くなった人もいる。
代表的な人物が1960年代に米国で美容技術を学んで70年代に韓国に短髪熱風を起こしたヘアーデザイナー、グレース・リー(1932~2011、韓国名イ・ギョンジャ)だ。2011年2月28日のリー氏の葬儀は出版記念会や喜寿のお祝いと同じだった。白菊の花の代わりにピンクのバラで飾られた葬儀場には、とても楽しげなタンゴ音楽が流れた。ワインを持ってきて飲む人もいた。グレース・リーの弟子であるイ・ヒ氏は「普段からの遺言だった」として「先生は50代のころから死や葬儀についての話をとても自然に楽しくしていた」と話した。葬儀が暗くてじめじめしていて、見るからにみすぼらしいような様子でなかったら良いとして、白菊の花の代わりにピンクのバラを飾ってタンゴ音楽をかけてほしいと、いつも話していたという。普段から「死は人生の一部分にすぎず、特別なものではない」という所信があったからこそ可能だった。イ・ヒ氏は「花のせいか葬儀は悲しみに抑制された空間ではなく、先生を思い出す場になった」と振り返った。