名人の哲学のあった日本囲碁、中国は兵法の沼に落ち韓国は…(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.07.08 16:53
小柄ながらも恰幅のいい体型で、鋭い眼光を放つ壮年の男。部屋のすみで花札を弄んでいる丈和だ。机の前に座り、背中を正して兵書読む黒い眉毛のアバタ顔の男。因碩だ。
19世紀初めの日本。宿敵の丈和(1787~1847年)と幻庵因碩(1798~1859)の対局はいつも熱気を含んでいた。囲碁は一日や二日では終わらないので対局中の休息は家で取った。そのたびに2人の対局者の態度は違った。丈和は花札の札を取り出し、因碩は兵書を読んだ。対照的な2人の棋士は名人位をめぐり深慮遠謀の争闘を繰り広げた。丈和が勝った。因碩がけちをつけようとしたが丈和は問題をうまく避けて通った。政略的に名人位に上がった。2人の棋士戦績で丈和が先んじたことは事実だが、因碩も実力では名人級だった。人間史の不条理なのだろうか。