【社説】揺れる朴大統領…国政の危機(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.06.27 15:11
大統領は再び首相候補を選ぶことが正道だった。人選難だというが、広く知られた候補の中には聴聞会を通過するほどの人物も大いにいた。能力と道徳性が検証された前政権の首相を起用するのも選べるカードだった。青瓦台は国政の空白を心配したというが、時間がかかっても新しい、もしくは検証された人に指揮棒を任せることのほうがはるかに重要だった。こうした事情は明白だったのに、大統領が鄭首相を留任させたのは政界と社会に対する一種のデモと見られる。国家改造の重要性、政権の新しい気勢、原則の実践、人材抜擢能力の立証は重要だ。大統領がこういうものを持ち越して抗弁とデモに固執すれば非常に深刻な問題だ。
こうした異常な決定が下されるほどに政権の核心部は中心を見失っている。朴大統領は政治家時代にはこんな姿を見せたことがほとんどなかった。親朴系が公認取り消しにあったり自身がカッターナイフテロにあったりしても、政治家朴槿恵は中心を守った。ところが就任以来続いた人事の惨事やセウォル号事態に衝撃を受けると、大統領は節制と判断力を喪失している。
金淇春(キム・ギチュン)秘書室長を含めた公式・非公式の参謀陣は、大統領を補佐する中で無能ぶりを見せている。いや、ある面では彼らの不適切な補助が大統領を誤導しているというのもある。大統領は彼らをずっと信任することにしたが、彼らに象徴される政権の閉鎖性とアイデンティティは国政運営の動力を大いに損ねている。現在の陣容で活力と改革の気勢を発見する国民が果たして何人いるだろうか。政権の停滞に責任がある秘書室長と植物首相から生き返ってきた首相が、国家改造のエンジンに火をつけることができるだろうか。