中国の防空識別圏は“多用途ナイフ”…米国も狙う
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.11.27 10:34
2001年4月1日、沖縄の基地から離陸した米海軍のEP-3偵察機が海南島南東側の公海上に差し掛かると中国軍はすぐにF8戦闘機2機を出撃させた。中国の戦闘機は米国の偵察機に向かい、「中国領空を出なければ撃墜する」と警告した。その渦中に米国の偵察機と中国戦闘機が衝突し中国機1機が墜落した。操縦士は緊急脱出した。機体が破損した米国の偵察機も緊急救助信号を送った後、海南島の空港に緊急着陸した。米国の偵察機の乗組員24人は無事だったが、その後米国と中国は乗組員の帰還をめぐりしばし外交折衝戦を行った。米国の外交専門紙フォーリンポリシーは当時の事故を振り返り、中国が東中国海に防空識別圏(CADIZ)を宣言したのは日本だけでなく米国を直接牽制するためだと報道した。
オバマ米大統領は2011年に外交安保政策を欧州と中東からアジア中心に切り替えると宣言した。ホワイトハウスのライス補佐官(国家安全保障担当)も20日にジョージタウン大学での講演で、「オバマ政権のアジア重視戦略は不変」であることを再確認した。
フォーリンポリシーは、「中国の措置は米国のアジア中心戦略に対抗し自国の裏庭で力自慢をするためのもの。もし米国の軍用機が中国の許可なくこの地域を飛行する場合、中国が武力示威をすることもできる」と分析した。中国が防空識別圏を宣言した直後、ホワイトハウスと国防総省がすぐに「極めて懸念されること」と反論の声明を出したのはこうした背景があると伝えた。