キムチ食べてトマトアレルギー…交差汚染の不安=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.11.08 11:26
ソウルの蚕室(チャムシル)に住む主婦パク・ヨンミさん(41)は最近、ひやりとするような経験をした。トマトアレルギーがある小学校3年生の息子が、遠足で食事をとって呼吸困難症状になり救急車で搬送されたからだ。ところで息子はトマトを食べてはいないと言った。パクさんは息子が食べたものを一つひとつ確かめてみた。驚くべきことにアレルギーを誘発した食品は、トマトでなくパック詰めのキムチだった。パクさんはキムチの製造過程を逆追跡した。その結果、キムチがトマトを原材料とするほかの製品と同じ施設で製造された事実が分かった。キムチを作る中で、その前に生産した製品のトマト成分が混ざったのだ。いわゆる「交差汚染」だ。パクさんは該当の食品企業に抗議した。だが「包装紙の栄養表示欄に表記されているのをご覧にならなかったのか」と冷たく言われるだけだった。パクさんは「子供の場合、表記を確認しないばかりか野外で食べ物を取り出して一緒に食べる場合、いちいち成分を確認することもできないではないか」として「責任を単純に消費者に回そうとしているだけのようだ」と訴えた。
食品の交差汚染でアレルギー被害を受ける消費者が多い。交差汚染は「知らずに被害に遭う」ケースが大部分だ。現行の畜産物表示基準はサバ・タマゴ・モモなど13品目について、同じ施設でそれぞれ違う製品を生産した場合、包装紙に関連事実を表示することになっている。だが飲食店などで加工食品の包装紙をはがして料理して出す場合、交差汚染の事実を確認する方法がない。またキムチにトマト成分が混ざった事例のほかにも、牛肉ビーフジャーキーから豚肉、野菜飲料からピーナッツ、アイスクリームからモモの成分が検出されるなど、全く予想できない成分が混入していたケースも多かった。表示基準を守るといっても栄養表示の下段に小さい文字で同一製造施設生産の有無が記されており、消費者が把握するのは難しい。疾病管理本部統計によれば、19歳以上の成人のうち栄養成分表示を確認して食品を摂取する比率は24%にとどまっている。