双竜自動車を買収し、組織改編、３０００億ウォン（約２８０億円）台の新車開発費投資決定、国政監査証人出席、８００億ウォン台の有償増資決定…。パワン・コエンカ双竜車取締役会議長（５８）の多事多難な過去３年間を要約した。良いことばかりあったわけではないが、コエンカ氏の「双竜車はすべて巡航中」と話す点を勘案すれば、両者の相性は悪くないようだ。

インドのマヒンドラグループの系列会社マヒンドラ・アンド・マヒンドラ（以下マヒンドラ）の自動車・農機械部門社長であるコエンカ氏は９月から同社の取締役会最高役員職を兼ねることになった。双竜車も４－６月期、７－９月期と連続で黒字を出したのに続き、先月は８年ぶり最多の月別販売台数（１万４２４４台）となり、復活に向かっている。

先月３０日に双竜車取締役会が終わった直後、ソウル駅三洞の双竜車ソウル事務所で会ったコエンカ氏は「販売台数は期待値を達成し、財務的には期待以上の成果を出した」と満足感を表した。尋ねたいことが多かったが、まずは市場の関心事である社名の変更について質問をした。

－－李裕一（イ・ユイル）双竜車社長が先月初め「社名変更を検討中」と話したが。

「社名の変更が望ましいかどうかについて市場調査を進めている。双竜という名前は特に外国人が書いたり読んだりするのが不便で、イメージもよくない。ただ、社名変更が決定したとしても、新しい社名の使用までにはさらに１、２年かかるだろう」

今後開発する車の輪郭も公開した。マヒンドラは双竜車買収直後、４つの新車を開発する予定だと明らかにした。そのうち開発名「Ｘ１００」の小型スポーツ用多目的車（ＳＵＶ）は２０１５年初めの発売が決めった。残り３つの車と関し、「確実なことはすべてＳＵＶという点」とし「従来の車のフルチェンジモデルである可能性もあり、双竜車とマヒンドラの合同作品となる可能性もある」と述べた。また「レクストンのフルチェンジモデルの開発も検討中だが、発売時点は予想できない。唯一のセダンであるチェアマンモデルも韓国初のプレミアム セダンとしての象徴性を勘案し、販売を続ける考え」と述べた。過去の双竜車の代表作「ムッソ」ブランドの復活について尋ねると、「賛否両論があり悩んでいるが、どう思うか」と助言を求めたりもした。

双竜車リストラの最も大きな悲劇だった大規模な人員削減についても前向きな話をした。双竜車は２００９年に労使大妥協で１９０４人を希望退職させ、４５４人を無給休職処理するなど、計２６００人ほど削減した。このうち無給休職者４５４人は今年３月に全員復職した。双竜車は現在、希望退職者を復職させるためのタスクフォースチームを運営中という。コエンカ氏は「希望退職者の復職などに関して具体的な数字は言いにくいが、Ｘ１００発売直前の来年末まで必ず人材を補充する」と述べた。

米コーネル大で博士学位を取得し、ハーバード経営大学院で最高経営責任者課程を修了したコエンカ氏は、ＧＭ研究開発センターで１４年間在職した後、１９９３年からマヒンドラで勤務している。