米国議会がシリアに対する軍事行動承認に向けた手続きを開始した。

米上院外交委員会は４日午前の幹事団会議を経て軍事攻撃決議案をまとめた。オバマ大統領が提出した草案を基にまとめられた合同決議案は、軍事攻撃期間を６０日と定め、必要な場合には議会の承認を得て３０日延長し最長９０日と決めた。代わりに地上軍は投じないという制限規定を置いた。また、軍事介入の名分として「アサド政権が８月２１日に化学兵器攻撃で数百人の子どもを含む１０００人余りの無実の市民を虐殺した。アサド政権がこの攻撃の計画と実行、事後隠蔽に関与したという明白な証拠がある」と明示した。

上院は外交委員会で決議案に対し採決した後、９日ごろに全体会議での採決に送る予定だ。下院も独自の決議案をまとめ同様の手続きを踏んだ後、早ければ来週半ばに全体会議を招集し採決する方針だ。このため米議会のシリアに対する軍事攻撃承認手続きは１１日を前後してすべて終えられると米国メディアは伝えた。

議会が本格手順に入ったのと時を合わせてシリアを狙った米軍の動きもあわただしくなった。米海軍はインド洋に駐留する空母「ニミッツ」と艦隊を紅海に移動配置した。巡航ミサイルで武装した駆逐艦４隻と巡洋艦１隻も同行した。シリア近隣の地中海にはトマホークミサイルを搭載した駆逐艦４隻と水陸両用艦の「サン・アントニオ」を配置した。サン・アントニオには海兵隊３００人余りが乗り組み、空襲が始まればこの地域の米国民を保護するための作戦に投入されると米軍関係者らは伝えた。

オバマ大統領はロシアで開かれる主要２０カ国（Ｇ２０）首脳会議参加のために出国する前の３日午前にホワイトハウスで議会指導者１６人を呼び説明会を開いた。この席でオバマ大統領は、シリアに対して「巡航ミサイルを使って攻撃し、戦闘機の空襲も並行する」と話した。

説明会が終わった後、共和党のトップとナンバー２のベイナー下院議長とカンター下院院内代表はシリアに対する空襲を支持するという立場を発表した。オバマ大統領としては千軍万馬を得たことになる。

続けて開かれた上院外交委員会の聴聞会でケリー国務長官は、「米国は戦争をしようとするのではない。反倫理的犯罪を犯したシリア政権を懲らしめるもの」と強調した。特にシリア攻撃の名分として北朝鮮まで取り上げた。ケリー長官は、「シリアを通じ世界の危険国に警告メッセージを送らなければならない。われわれが沈黙するなら北朝鮮とイランの核兵器開発を防ぐ名分は弱くなる」と話した。ヘーゲル国防長官も「米軍２万８０００人が駐留している韓半島で北朝鮮は化学兵器により韓国の安保を脅かしている」と強調した。軍事攻撃に賛成する議員は「平壌（ピョンヤン）がわれわれを見守っている」として肩入れした。

議会専門紙のヒールは「ベイナー議長とカンター代表ら共和党指導部がオバマ支持に旋回したが、上院と違い共和党が多数である下院では依然として軍事介入に反対するムードが支配的だ。残り期間に彼らの考えを変えるのがカギだ」と伝えた。