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【噴水台】世銀総裁に指名されたキム・ヨン氏が韓国で暮らしていたなら…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.03.28 18:10
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スウェーデン出身の5人組アカペラグループ「The Real Group」が歌って世界的にヒットした「commonly unique」という曲がある。 一日が始まる朝に出勤の準備をしながら聴くのにちょうどいい曲だ。 人の声が作りだす絶妙の和音と軽快なリズムに、私たちは知らないうちに首や肩を揺らす。

「Early morning having breakfast/Taking a shower washing dishes(早朝に食事をし/シャワーを浴びて/皿洗いをして)…」で始まるこの曲には、「We are commmonly unique」というリフレーンが反復される。 「私たちは同じように特別だ」という程度の意味ではないかと思う。 同じでありながらも特別というのは、「沈黙の雄弁」のようにお互い相反する概念を対応させて意味を強調する一種の「撞着語法(oxymoron)」だ。 人間は共同体の中でお互い調和しながらも、各自が独自に生きていくという意味だと考えれば、孔子がいう「和而不同(和して同ぜず)」とも通じる。 共生とともに個性を強調する北欧特有の社会の雰囲気が歌詞から感じられる。

 
北欧の強小国が持つ競争力の源泉が教育なら、その土台にある哲学が「commmonly unique」だ。 競争よりも協同に重きを置く質の高い公教育を通じて、個人間の学力格差を最小化しながらも、個人の適性と素質を最大限に生かせるように助けるのが北欧式の教育だ。 北欧教育が特に強調するのは独立的な思考だ。 団体活動と討論を重視しながらも、すべての人は独立的で特別な存在だと教える。 各自に自分の道があるということだ。

ある社会のすべての構成員が全く同じことをすれば、過剰競争の悪循環に陥って全体の利益は減る。 個々人に被害が生じるのはもちろん、資源配分にも問題が生じて国家的にも損失だ。 誰もが1カ所に集まれば共存は難しい。 身を削る競争の中で、挫折と不平不満があふれる。 高校卒業生の80%が大学に行き、大学を卒業すれば、公務員と公企業、大企業ばかり目指す国は韓国しかない。 どっと集まるところは成功の‘ブルーオーシャン’にはなりにくく、共倒れの‘レッドオーシャン’になりやすい。 孤独で難しくても、チャンスは他人が行かない小さな道にある。

世界銀行総裁に指名された在米同胞1.5世のキム・ヨンは私と同じ年齢だ。 彼が韓国式の教育を受けて、韓国で暮らしていたなら、平凡な医師や教授で終わっていたのではないだろうか。 自分の能力と努力で米国社会の主流に進入したにもかかわらず、収入が多い医大教授に満足せず、貧しくて腹を空かせた第3世界の弱者をために奉仕する‘commonly unique’一筋に進んだことで、彼は今日の成功を手にしたのではなかろうか。

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