＃「５分の単独面談」で終えた３兆ウォンのビッグディール

翌年はコムデックス買収に乗り出した。 米マサチューセッツ州本社へ行き、会長と単独面談した。

「希望する金額をおっしゃってください。 妥当な金額なら駆け引きなく支払います。 しかし私たちの予想額と隔たりがあれば未練なく退きます」。

続いて私は「より高い金額を提示する人がいるかどうかは分かりません。 しかしあなたの夢を尊重し、より大きな成果を出すのはこの私です」と強調した。 アデルソン会長が金額を言った。「８億ドル」。

私は無言で立ち上がり、握手を求めた。 交渉は５分もかからず終わった。コムデックス側も誰も反対しなかった。 相手は私がビル・ゲイツ、エッカード・ ファイファー・コンパック会長のような大物と親しいことを知っていた。 シスコ本社の社外取締役でもあった。 会社買収後、私は従来のメンバーを一人も代えなかった。

その後、遂にジフデービス出版部門まで引き受けた。 ポストマンリトルのテッド・ポストマン会長と‘一本勝負’をした。 彼は２１億ドルを要求した。 私は言葉なく受け入れた。 ９５年当時、ソフトバンクの売上高は６００億円を少し超えた。 そのような会社が１年６カ月の間になんと３１００億円規模の国際的Ｍ＆Ａを実現させたのだ。

このした電光石火のようなビッグディールに唖然とする人もいるかもしれない。 しかしこれは決して即興的な決定ではなかった。 ソフトバンクはＭ＆Ａの前、あらゆるデータを動員し、あらゆる変数を計算する。 これに基づいて確固たる決定をする。 「数値マネジメント」と「圧倒的速度」はソフトバンクＤＮＡの原形質だ。