【社説】米格付け見通し引き下げ…揺れる米国のリーダーシップ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.04.20 11:03
格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付け見通しを「安定的(stable)」から「否定的(negative)」に引き下げた。一定期間内に財政状態が改善されなければ格下げすると警告したのだ。S&Pは「金融危機から2年が過ぎたが、米国の莫大な財政赤字が解決する見通しは明るくない」と主張した。現在AAAの米国債が格下げされれば、利率は上昇し、米国債も市場で消化されにくくなる。米国はもちろん、世界経済に致命打を与えうる鋭敏な懸案だ。
米国は金融危機に対処するため対症療法に依存してきた。利下げをし、大規模な財政出動に向かった。幸い大恐慌は避けたが、その後遺症は深刻だ。今年の米国の財政赤字は1兆5000億ドルを上回り、政府の負債は近いうちに14兆3000億ドルに策定された上限線を超える勢いだ。超低金利と量的緩和による副作用も少なくない。ドル安は世界的なインフレを呼び、あふれるドルはイマージング・マーケットに集まり、バブルを膨らませている。S&Pは一言で、不健全な米経済体質に警鐘を鳴らしたのだ。