【社説】145年ぶり故郷に戻る外奎章閣図書
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.04.14 18:01
いざ戻ってくるとなると、うれしさよりも嘆息がもれる。 1866年の丙寅洋擾当時、フランス軍が略奪していってからなんと145年。 沈んでいく朝鮮、亡国の恥辱がしみ込んだ外奎章閣図書は、単なる文化財返還以上の意味を持つ。 弱肉強食の国際秩序の中で力が弱かった先祖が奪われた宝物が、韓国の飛行機に載せられて今日、故郷に帰ってくるのだ。 大韓民国がこれほど大きくなったことで、交渉に17年がかかったとはいえ、私たちの懐に戻ってくることになったのではないか。 国力がないために受ける屈辱、二度と繰り返されてはならない。
「5年ごと更新する貸与」という返還方式は非常に残念だが、フランスという交渉相手があるだけに、それも現実的な折衝だったと私たちは評価する。 日本にある朝鮮王室儀軌など古書1205冊を‘引き渡し’形式で受けるのと同じ脈絡だ。 文化財はいかなる経緯であれ、一度奪われればきちんとした形で返してもらうのはこのように難しい。 外奎章閣図書の返還を契機に、政府と関連団体が海外の韓国文化財を探して取り戻すのにより大きな力を注いでくれることを期待する。