【噴水台】文化財返還
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.04.26 18:10
ニューヨーク・ロンドン・パリ・ローマの真ん中には針のような形をした巨大な石柱がそびえている。 古代エジプト人が作ったオベリスクだ。 正確な用途は今でもミステリーだが、多産の象徴である男根石という解釈が少なくない。 多くの文明圏では天は男、地は女として通じた。 ギリシャ神話に出てくる天の神ウラノスと大地の神ガイアもそうだ。 しかし古代エジプトは違った。 天の神ヌートは女神、大地の神ゲブが男神だった。 従ってヌートのために天を突き刺す男根像が立てられたという。
このようにエロチックなエピソードを持つオベリスクが最も多いのはエジプトではなくイタリアだ。 全世界29本のうちエジプトには9本がある一方、イタリアには11本もある。 エジプトを征服したローマの皇帝がオベリスクの威容に魅せられて奪ってきたのだ。 2000年も前から文化財略奪が横行していたわけだ。 イタリア人のオベリスクに対する欲は20世紀にまた再発する。 1937年にムッソリーニがエチオピアとの戦争で勝つと、この国のオベリスクを強奪してきたのだ。
その後、エチオピアは汎国民署名運動まで繰り広げながら繰り返し返還を要求した。 名分で劣勢のイタリアは、適当な進入路がないなどとさまざまな言い訳をした。 するとエチオピアは空港の滑走路を拡張して新しい道路をつくるなど、ありったけの誠意を見せた。 国際的な返還圧力も強まり、結局このオベリスクは2005年、67年ぶりに故国に戻った。