【時視各角】愛が過度にあふれる社会(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.03.25 15:25
話題の本はやむを得ず読まなければならないのが記者の宿命だ。 おとといの夜、シン・ジョンア氏の新刊『4001』を読んだ。 後味が良くなかった。 出版の意図が告白を利用した復讐なのか、暴露を通した興行なのか、よく分からない。 興味を引く部分はすでに最高級ホテルでの記者会見と出版社の騒がしいノイズマーケティングのため、すべて露出している。 本の内容を一方的に信じるにも釈然としない部分が少なくない。 ただ、「十分な法律検討を経た」と公言したように、老練な表現技法が引き立って見える。 「彼は私に単に仕事のために会っているようでなかった」という部分が圧巻だ。 若くて美しい女性の一言が読者の無限の想像力を刺激する。 相手の男性J氏を一発で負かす必殺技が感じられる。
元記者C氏に対する表現も感心する。 「その日以降、私はジーンズに運動靴だけを履いた」。女性がスカートを捨てたということ一つですべてのものを圧縮している。 最も感嘆させられたのはB氏と過ごした初日の夜の描写だ。 シン氏はB氏が陳述した検察調書をそのまま引用した。 無味乾燥な他人の陳述を借りて自分がその時まで純潔を守ったことを客観的に立証するのに成功する。 誰がこういう真実の愛の前に「体ロビー」などという醜悪な表現を使えるだろうか。 老練なプロの腕が読み取れる。