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【コラム】もう一つのセクハラ、‘アイドルはがし’競争

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.07.28 15:10
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「大韓民国はセクハラ共和国」。 最近の一連の事件を見ると、そう思ったりする。 康容碩(カン・ヨンソク)議員のセクハラ発言以来、似たような事件が次々と報道されているからだ。

「お前は俺の隣に座れ。 俺のひざの上は誰もが座れるわけではない」。スナックのホステスに向かって言った言葉ではない。 京畿道議政府市(キョンギド・ウィジョンブシ)のある小学校の校長が女性教師にこう言ったのだ。 この校長は常習的に女性教師の外貌について乱暴な言葉を吐いていたという。 教師らが国民権益委員会と女性家族部に集団で訴えるほどひどかったのだ。 陳情書によると、「かわいい」「ブスだ」「自分のスタイルではない」という程度ならまだましなほうだ。 この校長は教職員の会食で唇が腫れた女性教師に「夫をもっとよい店に行かせなさい。 安い女がいる店に行かせるから、変な病気をもらってきて唇がそうなるのだ」と言ったという。

 
最近ソウルのあるホテルでは労組員が代表の交代を要求した。 このホテルの代表が女性職員を相手に常習的にセクハラをしてきたという理由だった。 労組によると、この代表は実習をしに来た女子大生に「こいつは本当においしそうだ」、トレーニング中の女性職員には「その運動をすれば胸が大きくなるのか」と話したという。

セクハラの加害者はほとんどが中年以上の権力を持った人だ。 このため一部の人たちはセクハラを男性優越主義社会がもたらす一種のマッチョ(macho)文化と解釈したりもする。 仮にそうなら韓国社会に両性平等意識が定着すれば自然に解決する問題だ。

しかし両性平等意識が強い現在の青少年が成人になれば、このようなセクハラ慣行は消えるだろうか。 誰かに個人的な予想を聞かれれば、記者は「消えない」と答えるだろう。 むしろセクハラが一般化し、後には処罰できない状況になるかもしれない。 その根拠は青少年がよく見る地上波テレビ放送の‘アイドル(idol)はがし’競争だ。

先週末、MBC(文化放送)の芸能番組「セバクィ」に出演したアイドルガールグループ「4minute」のメンバー、ヒョナのいわゆる‘骨盤ダンス’が扇情性論議を呼んだ。 問題の核心は1992年生まれの未成年のダンスではない。 「これだ!」と喜んでいる中年男性出演者たちの態度だ。 今回だけではない。 息子の年齢ほどの男性アイドルの腹筋を見て感嘆の声をあげる中年女性出演者の反応はこの番組の名物になっている。 「セバクィ」だけではない。 テレビには、仮に教師が学生を相手にすればセクハラになるような場面が乱舞している。

「インターネットにはわいせつ物があふれているのに、この程度で何を大騒ぎしているのか」という反論もあるかもしれない。 しかし地上波放送とインターネットのわいせつ物は違う。 子どもたちもインターネット上のわいせつ物は問題であることを知っている。 それで隠れて見る。 しかし地上波放送は親のそばで見る。 中年男性・女性芸能人の恥ずかしいセリフが出てきても「正直だ」と言って大笑いする。 こういうことが積み重なれば、後には問題意識さえもなくなる。 成人になれば異性の部下職員に平気で「お前はセクシーだ」と言っているかもしれない。 非正常を正常、非常識を常識と感じてしまうということだ。

鄭鉄根(チョン・チョルグン)社会部門次長


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