政派的争いや理念的葛藤が深刻でも、ひとまず国家的な危機に直面すれば、手を取り合って同じ声を出すのが常識であり、最小限の国民としての道理だ。ここには与野党も左右派もない。海軍哨戒艦「天安（チョンアン）」沈没事件による国家安保的な状況も同じだ。こうした点で、参与連帯が「天安」事態と関連して国連安保理に公開書簡を送ったのは遺憾だ。韓国政府の調査には疑問点が多いため「（対北朝鮮制裁を）慎重に議論してほしい」という自害的な内容だ。実に情けない。そうでなくとも北朝鮮が開き直って無理な主張をし、これに対応して韓国は国際社会の連帯のために総力外交を繰り広げているところに、なぜ利敵行為なのか。

提起した疑問点も水柱、切断面、熱線観測装備（ＴＯＤ）映像など、ほとんどがインターネット怪談をつなぎ合わせたような水準だ。さらに書簡が受け取られた時期も悪い。政府が１５日に国連安保理で行う「天安」事件のブリーフィングを控えた時点だからだ。北朝鮮はここぞとばかりに自分たちもブリーフィングをすると主張した。おそらく北朝鮮は「天安」事件とは無関係で、韓国の市民団体さえも疑問を提起していると反論するだろう。もちろん安保理は客観的な調査結果と「ファクト（ｆａｃｔ）」を見て判断する場であるため、参与連帯の書簡で結果が変わることはないだろう。しかし政治的に、またはその他の理由で、北朝鮮制裁をためらう国に口実を提供したことになる。

しかも北朝鮮は一方で「ソウル火の海」で脅迫し、もう一方では南北学術討論会などで韓国国内の分裂と反目を企んでいるではないか。北朝鮮関連団体である進歩連帯の常任顧問は１２日、違法に北朝鮮に入国し、こうした陰謀に相槌ちを打っている。彼らはＢＳＥ（牛海綿状脳症）やヒョスン・ミソンさん轢死事件のろうそくデモを主導しながら、反政府・反米の先頭に立った勢力だ。また、ある「天安」調査委員の「陰謀説」も非専門家の盲目的な不信にすぎない。しかしそれなりに公信力のある参与連帯が結果的に北朝鮮の分裂策動にもてあそばれた格好であるため、よりいっそう情けなく背信感まで感じる。今回の書簡を韓国の多様な声として、民主社会の傍証として糊塗してはならない。国家的に重大な時期、参与連帯の責任ある姿勢を求める。


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