【噴水台】選挙のお返し
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.06.09 11:58
1519年ヨーロッパ・ハプスブルク家のカール5世とフランス王、フランソワ1世が神聖ローマ帝国皇帝の座をめぐり対決した。この時、巨商で銀行家のヤコブ・フッガーがカール5世のために「皇帝選挙戦」に跳びこんだ。票を行使するドイツ諸侯たちに現在価値で150億ウォン(約11億円)に達するわいろを振り撤いた。フランソワさえ自分に票を投じなかった。フッガーが彼まで買収したのだ。皇帝になったカール5世は商業資本制限措置を試みた。するとフッガーが選挙時の借りを思い出した。「私でなかったら皇帝陛下はローマ皇帝館を使うことができなかったはずです」皇帝の試みはうやむやになった。フッガーは皇帝からベルギー・アントワープ貿易港開発という利権まで手にした。
選挙には候補を支援する個人・組職・団体が割りこむものと決まっている。当選後、有・無形のお返しが与えられたりするのは昔も今も同じだ。最も露骨なのが米国だ。選挙にお金と時間を注いだ利益団体たちの要求事項を反映するのが選挙後、当然支払う意識と考えられるほどだ。2004年、大統領選挙でジョージ・ブッシュが再選に成功した時だ。ブッシュの選挙勝利のために先頭に立った米国卸売業協会会長はマスコミに「これで業界の長年の宿願事業が解決される」という期待を示した。ブッシュ執権1期時、大気汚染・作業場安全に関する規制が企業の思い通りに緩和されたのも選挙のお返しの1つだった公算が大きい。